今の函館の現状は、「通院は非常につらいけれども仕方なく通院を続けている。」「最期は住み慣れた自分の家で過ごしたい。」「最期は家に連れて帰りたい。」でも「点滴もして酸素も使っているので家に帰りたいと思っているけど自宅に帰るのは無理だ。」と考えている方が大変多くいると思われます。
実際に当院で在宅医療を担当した患者さまから「函館でもこんなことが出来るとは思わなかった。知っていたら、もっと早く家に帰ることができたのに・・・。」という言葉を何度も聞いています。
とくに癌患者さまの多くは、ほとんどのケースで告知がなされるようになっていますが、治療開始、または治療途中の段階で、「どこまで治療を続けるのかの治療目標、治療が困難になった場合の選択肢」を示されることが少なく、ただ漫然と「入院」「つらい外来通院」を継続している場合が多く見受けられます。
当院では、在宅医療は、入院、ホスピス入院、施設入所など治療を続けるうえでの選択肢のひとつと考えています。
癌患者さまの場合には在宅療養中でも積極的にホスピスを知ってもらうように当院から紹介しホスピス受診をして頂いています。
ホスピスの相談員の方からの説明が受けられ、実際のホスピス病棟の見学が出来ます。その上で、「在宅療養⇔入院」「最期まで在宅療養を継続」、「在宅療養⇔ホスピス入院」などどんな方法が一番安心して過ごせるかを一緒に考えるようにしています。
もちろん途中で方向転換することも可能です。在宅療養を選択された時には、安心して退院できるように、安心して在宅療養を継続できるように、患者さまの立場になって全力で取り組んでいきたいと考えています。